知っている曲をでかい音で聴けた「森、道、市場 2022」

週末に愛知県蒲郡市で開催された野外イベント「森、道、市場 2022」へ行ったら、知っている曲の生演奏をでかい音で聴けたしとても楽しかった。

音楽のこと

スタンディングエリアでじっくり観たのは、Cody・Lee (李)、ROTH BART BARON、Helsinki Lambda Club、BBHF、ゆうらん船の5組。なぜなら知っている曲が多いからです。まだ僕は知っている・知らないミュージシャンの知らない楽曲を楽しむ技術が乏しい。今後段階を踏んで、聴こえてくるものをなんでも楽しめるような柔軟さを手に入れていきたい。

特によかったのは、ゆうらん船の演奏。カネコアヤノ・バンドセットでベースを担当している本村拓磨が別のバンドでもベースを弾いているという情報を目にしてそれがゆうらん船だった、みたいな馴れ初めで昨年『MY GENERATION』をひたすら聴いていたので知っている曲が多かったという事情はもちろん、なおかつ音がでかかくて良かった。とりわけベースの音がでかかった。前日の疲れもありベストな状態で頭や腰を揺らしたり足踏みすることができなかったのが悔やまれる。次回ゆうらん船を観に行くことになったら足腰を鍛えていきたい。

元気なときに観たCody・Lee (李)やHelsinki Lambda Clubはさらに元気が出たし楽しかった。他のミュージシャンと比べて観ている年齢層が若めな気がした。フェスだとミュージシャンごとに聴く層が違っていてそれを体感できるのも楽しい。これらのバンドにはオーディエンスが振り付けみたいな腕の動かし方をしていて奇妙だった。普段からライブに通うファンの中でリアクションの仕方が定められているのかもしれません。ROTH BART BARONは客席にマイクを向けてレスポンスを煽るパフォーマンスをしていたので微妙でした。BBHFは「流氷」のイントロででかいバスドラムが聴けてよかった。

でかい音で生演奏を聴く経験は初めてでそれができただけで本当に良かった。これまではiPhoneのスピーカーかイヤホンからしか音楽を聴いておらず、全身で音楽を浴びる感覚を知らないまま生活を繰り広げていたのでもったいないことをしていた。野外フェスに限らず生演奏を聴く機会を増やしたい。

食べたもののこと

「市場」を掲げているだけあって、ケータリングはもちろん食器やアクセサリーといった雑貨や本、似顔絵を描くサービスとか移動式サウナなんてものまでなんでもありのマーケットだったのでぶらぶら歩くだけでも楽しかった。リュックサックのキャパシティと体力の都合でモノを買うことはできなかった代わりに気になった食べ物・飲み物は食べ飲みまくった。まくりました。このイベントで提供される軽食はほとんどスパイシーだったので、香辛料を利かせない食べ物が逆張りになってて面白かった。食べたものの一部が写真で記録されていた。

影響亜細亜/台風飯店のルーローハン
亜鹿猪~珍×yohaku マッサマンカレー
SNEAKSのハンバーガーとDONGREE COFFEEROASTERSのノンアルコールモヒート
Watte chaiの素焼き捨て場

会った人のこと

モンゴル武者修行商会として出店していた id:makoto1410 さんに会ったり、蒲郡駅からイベント会場まで送迎したりしてもらった(本当にありがとうございました)。僕も羊の骨占いしてもらえばよかったし、ゲルの中に入るのもすっかり忘れていた。ゲルの内部気になっていたのに。 販売していたZINE『羊と自分が同じ直線上にいる』を購入したので読みます。

ブログで知り合った id:squaredjackets さんも同イベントに参加されていたので、少し時間をいただいてお喋りした。落ち合う際に位置情報と着用しているものを丁寧に説明してくださってなんて手際のよい方なんだと感動した。高校卒業する前からお互い存在を知っている状態だったので感慨深かった。インターネットがインターネットの枠にとどまらなくなるこの感覚はどれだけやっても慣れないが楽しい。

1日目の終わりにもうやることがなくて帰った方がいいのに帰りたくない感じになって海岸沿いの階段に腰かけていたら、若い男性に声をかけられた。「森、道、市場2022」をテーマに卒論を書こうとしている滋賀県の大学生とのことで、インタビュー調査をしているのだという。イベントに参加した動機やイベントに参加して感じたことなどについて聞かれたので一生懸命回答しました。あれでよかったでしょうか? 研究がいい感じに進むことを京都から祈っています。

予定ではYogee New Wavesの演奏を聴いてから帰るつもりだったが、昼過ぎには歩くだけで精いっぱい状態になっており体力の限界を感じたのとリハーサルの「to the moon」を聴けて満足になってしまったので帰路についた。ら、ちょうどゆうらん船の内村イタルさんとすれ違ったので躊躇しながら声をかけたら気さくに対応していただけた。「さっきの演奏とてもかっこよかったです」という旨を伝えることができたのでとても良かった。

あと、ゲスの極み乙女。の演奏の直前くらいでTIMOBAGELSのブルーベリークリームチーズベーグルサンドに食らいついていたら後ろにいたお姉さんに「どこで売っていましたか?」と尋ねられた。地図を用いて説明しました。

おわりに

先週の月曜日に突然思い立って急遽行くことにした「森、道、市場 2022」。とても楽しかったので行ってよかった。そもそも知っている・好きなミュージシャンの演奏を生で聴いたことがなかったのでライブを観ることができたのは貴重な経験だったし、開催の1週間前というかなりタイトな準備期間が考えられる中でで実行することを決めたのはこれまでの自分ではありえなかったことなので自身の衝動性の高まりを実感することもできた。

ひとつクリティカルな失敗として、ひとりで行ったことが挙げられる。確かに楽しいフェスだったけれども仲の良い人と行ったほうがもっと楽しくなるだろうという事実に目を背けられなかった。7日前に予定を決めたことのほかに現状の交友関係にも問題がありそうなので、それらを車輪としたときどちらも同水準で解決しつつ、行き当たりばったりじゃない強みのある前輪と幅広い交友関係で構築された後輪でサイクリングロードなどを軽やかに走っていきたい。なにをいっているんだ。会場には最高男女集団で溢れかえっていたから私のカメラロールも最高男女集団で溢れさせたいという衝動が湧いたが、そういうのはよくなさそうという理性がうまく機能した。適切な判断をしつつ躍動感のある動きをしていきたい。

2日間足らずの「森、道、市場 2022」への参加だったが、単なる音楽の野外フェスだけではないクロスオーバー性がもたらす豊かさやどんな人でも歓迎しようとするやわらかい雰囲気を掴むことができて、本イベントの魅力を知ることができた。もっと知りたいのでまた来年も参加したいし、「森、道、市場 2022」に限らずでかい音楽を生演奏で聴く機会を増やしていきたい。