いまここは満ち足りた暮らし

ぱっとなしないうさんくさい天気で、部屋にこもってミシェル・ウエルベックの『地図と領土』を読んで過ごしていた。第2部のおわりまで読み進めた。途中で気分転換に『ブルシット・ジョブと現代思想』のまえがきに目を通したりもした。落ち着きがないからしょっちゅうスマホの通知を確認してしまうし、コーヒーや水をじゃぶじゃぶ飲んでしまう。おのずと読むのが遅くなる。アークティック・モンキーズの『Tranquility Base Hotel & Casino』を聴いていると呼吸が深くなりませんか。性欲がなくなれば時おりやってくる失望や散漫から逃れられると信じていて、たとえば性欲減退剤みたいなものに簡単にアクセスできる環境であれば常用していると思う。あるいはインターネットポルノ依存から抜け出すために努力したほうがいいかも。

14時過ぎ。特に食べたいものがなかったので、マクドナルドで月見バーガーのセットをテイクアウトして食べた。このあいだも月見バーガーについて書いた気がする。ファストフードって食べているというより食べさせられているという感覚があって、とりわけ期間限定の月見バーガーは食べさせられまくっている。まくってる。「ジャンクフードってたまに食べたくなる日あるよね」って言説をこれまで疑うことなく受け入れいていたけれど、実際のところどうなんすかね。

OPPO Reno A を購入してからずっと「Nova Launcher」というサードパーティのホーム画面カスタマイズアプリを使っていたんだけど、デフォルトのシステムアプリへ切り替えた。ガジェットにカスタマイズ性とか求めてなかったかも。「あなたの思い通りに作り替えることができますよ」という状況って望ましいし喜ばしいんだけど、同時に自分の好みに自覚的にならなければならないという義務感が生じる。これも製品によって生み出された感情かも、ということです。

昨晩、Twitter スペースで「ていねいな暮らし」から連想される暮らしのイメージが自分が想像できる最良の暮らしかもしれないという話をされて、まじでそこまでしかイメージできないなと感動した。”ちょっといい”製品で生活環境を整備して、工程の複雑な凝った料理を試したり、ゆっくり時間をとって本や映画を楽しんだりする、素晴らしい暮らし。これ以上ないかも。プライベートな暮らしに目を向けることで救われると確信している。働いて経済的に余裕ができれば欲しい製品は増えてゆくだろうし、それを消費することで満たされると思う。それだけで終わるのって本当に怖いですよね、という話もした。あとは、育児の"おもしろ"とかブログの話とか。議事録残ってないから全部覚えていられないの残念。Podcast を録っているいる人って、話したことを記録することも大切にしていそう。

寝付けなかったので、日をまたぎながら『サイバーパンク: エッジランナーズ』を最終話まで観ていた。目がちかちかする配色とか、過激な描写とか、知らない言葉が飛び交って置いてけぼりになる感覚とか、どれも刺激的でとても面白かった。一気に観ちゃったのもったいなかったかも。直近で観ているのが『惑星のさみだれ』なのもあって、美しい展開のめまぐるしさに感動した。すごかった。


なんだかんだ現状にとても満足していて、叶うことならいまのまま変わることなく過ごしていきたいという気持ちも同時にある。自分はかなり恵まれていて、これ以上望むことなんてないでしょうという感覚。きちんと衣食住を整えられていて、そのうえ大学で勉強することもできている。たしかに学内に信頼のおける人というか、親しい人がいないことはずっと問題視しているけれど、数年かけて別の部分でカバーしようという意気込みになってきたし。