シティーボーイ

数日前から東京都に住み始めた。おれもめでたくシティーボーイになったということ。厳密には都民になっただけです。まだあまり実感はないが、最寄りの駅から大きな街に出ると大きなビルが立ち並んでいてびっくりする。なんでこのおれが東京に住むことになってしまったんだろうとずっと被害者ヅラをしているが、おれがその会社に就職したからです。いくつかの意思決定が積み重なって、今。

まだ京都はそんなに恋しくない。

シティーボーイといえば、最近の長谷川昭雄による投稿がくだらなすぎて腹が立った。AH.H で公開されていた記事で彼とその編集者が財務省の解体を訴えるデモについて触れていたんだけど、「フェスみたいでしたよね」「俺、実はこのデモの見学は今回で三回目なの。あくまで見学ね」みたい政治的に中立であろうとするポーズを取り続けていた。無責任にもほどがある。社会に参画しようとする意思がない。こういう人の提案する服装を模倣すればシティーボーイにはなれるかもしれないが、立派な社会人にはなれない。

小学 4 年生から始めたミニバスの監督は、いつも「3 つの約束」というものをわれわれ子どもたちに伝えていた。これさえ守っていればそのクラブチームでは問題なかった。今でも覚えている。ひとつ、バスケットボールを好きになろう。ふたつ、友だちをたくさんつくろう。みっつ、立派な社会人になろう。よい指導方針だと思う。

1 週間ほど前に高校の男バスの同級生たちと集まってバスケットをしたんだけど、ほんとうに幸せな時間だった。彼らに会うのは 1 年半ぶりで、相変わらず元気にしていて嬉しかった。おれはそこまでスポーツができるわけではないが、周りから罵倒されながら体を動かすのが好きだ。久しぶりの運動でヘトヘトで話にならなかった。また地元に帰ったら一緒にバスケをしたいし、年に一度は集まって飲みに行けたらいい。

こっちに引っ越していろんな人に「近々飲みにいきましょう!」と連絡をしているが、「近々」が数週間先くらいのことを指すのであれば、これからおれは毎晩飲み歩くしかないことになる。むりだ。東京は思っていたより広くて、京都の街の捉え方とは別の仕方をする必要がある。

今日は区民図書館の利用者カードを作成した。おれなりのシティーボーイをした。いやもうシティーボーイって他人を軽蔑するための言葉でしかないので使うのはやめよう。たくさん本を借りてたくさん読みたい。

明日から会社員として働くことになることについてまだあまり実感がなくて、死ぬほど嫌というわけでもないし、身を粉にして頑張りたいわけでもない。やったことのないことはやってみないと考えられない。自分よりも優秀な人の能力に圧倒されたいという欲望があって、きっとそれが実現されるだろうからそれはほんとうに楽しみ。でもおれよりひと足先に働き始めた人たちはみんなげっそりしているから、嫌だなと思う。そのあたりは受け入れていくしかない。そういえば来月末に給料をもらえると思っていたんだけど全然再来月からで終わりました。働いて給料をもらって借金を返すというところからまずは頑張っていきたい。