他人からムカつくことを言われた時にどういう反応しがちか
空笑いをして受け流したり、別の話題に変えたりすることが多い気がする。気がするというのは、他人からムカつくことを言われた時って、その現場でムカつくというよりは、時間が経ってからムカついていたなーと思い返すことがほとんどだから。そもそも「他人からムカつくことを言われた時」に該当する体験を思い出せなくて、突発的に生じた自分の怒りの感情に注目しきれていない。自分には理解できないことや思いつかないことを言われたときにはまず、相手がそれを伝えようとした意図やその考えに至った経緯や立場について考える。自分がムカついた感情は二の次。
「ムカつく」という言葉から連想するのは、映画の登場人物が顔を歪ませていたり、アニメのキャラクターが地団駄を踏んでいたりするありきたりな表現で、過去の経験と結びつかない。そういえば『ナミビアの砂漠』を観たとき、ムカついた時にちゃんと怒っていてすごいと思ったのを思い出した。それ以外はあんまり覚えてない。
このような状況にあるのは、たとえば、単におれが温厚な性格であるからとか、ムカつくことを言うような人に出会ったことがないからという理由が思いつく。非現実的。別の可能性として、おれが先回りして他人にムカつくことしか言っていないからというのもある。もしそうだとしたらほんとうに最悪。会話をする中で相手より優位に立とうとする気持ちが生まれることもあるから完全に否定することはできないんだけど、これもまたこれで現実的ではない。現実的なものとして思いつけるのは、自分の怒りの感情にそこまで興味がないから、というのが近い気がする。裏を返せば、ムカつかざるを得ないシチュエーションに置かれたことがないということである。これはおれが一貫して社会的に多数派の側に所属し続けているからに他ならない。ここまで断言するのは言い過ぎかもしれないが、この観点は見逃せないはずだと思う。
他方で、実際に他人からムカつくことを言われた経験もあるはずで、(そしてその他人のほとんどは、自分よりも立場が上の者ばかりのはずで)、それを受け流している、言い換えると反抗的な態度をとったことがないということは、おれは自分よりも上のポジションにいる人物に対して従順であるということだ。権威主義者である。既存の権力勾配を内面化していて、意識せずとも利己的にそれを活用しているはずだと思う。ムカつくことを言われた時にカッとなって怒れるのってかっこいいなと思うが、そのような態度になりたいというよりは、ムカつくと感じたことを受け流さないで、自分の中にストックしておけるようになりたいというところに着地した。きわめて個人的な経験・個別具体的な事例は、社会的なより広範な問題として一般化していく可能性があるし、そのような経緯で社会問題に関心を持つことは、社会人としての責務というか、望ましいあり方だからだ。
そういえば、幼い頃にも取っ組み合いの喧嘩をした記憶もない。ただ、スポーツをやっていたので、ある程度それでストレスが発散されていたような気がする。バスケットボールは体をぶつけ合う競技のひとつなので、喧嘩みたいなものだった。たまに、身体をぶつけ合う、痛いけど気持ちよいあの感覚を思い出す。またしたくなる。自分の同じくらいの年齢の男の子の腕や腰、太ももに触れたり触れられたり、汗の匂いを嗅いだりした経験は、自分の身体の感覚をいくつかの方法で規定しているような気がする。話が逸れすぎた。バスケットボールをしているときは、ムカつくこと(痛いこと)をされたら、ムカつくこと(痛いこと)をやり返していました。
いちばん好きなアイスといちばん買ってるアイス
いちばん好きなアイスは、MOW(森永乳業)のバニラ味。こってりとした味わいが嬉しくて、たまに食べると大好きだと思う。バニラの味がいちばん好き。別のフレーバーやクッキーの入ったシリーズを食べることもあるが、それらを食べている最中にバニラのことを思い出して「あっちにすればよかった」と後悔したことが何度かある。濃厚であることに焦点を当てているアイスって他にもあるけど、MOW のやりすぎな感じというか、ちょっと嘘っぽい調子なのも含めていいと思っている。スイミングスクールに通っていた頃、練習後に父親からアイスを買ってもらえる時があって、その時の選択肢がセブンティーンアイスか MOW だった記憶がある。そういう文脈もあって好きなのもある。ミニストップのソフトクリームとかなり迷った。
いちばん買ってるアイスは、ガツン、とみかん(赤城乳業)の箱。夏場、風呂上がりに食べるのにちょうどいい。半裸で食べるアイスとして認識している。気取ってないパッケージに親しみやすさを覚えるのか、頻繁に手に取っている。おれもガツン、とみかんみたいに影響があってフレンドリーなアイスになりたい。アイスにはなりたくないかも。
アイスについて考えているとき、市販のアイスしか思いつかなくてちょっと悔しかった。牧場のソフトクリームとか、ジェラート屋のトリッキーな風味のやつとか全然知らなかった。自分のアイスの引き出しの限界を感じた。夏が近づいてきたら、アイスを食べるために外出してみたい。