キャンパスに着くと閑散としていて拍子抜けした。きのうで年内の授業は最後だったみたいだ。今学期はひとつも講義を履修していないので、時間割についてあまりよく分かっていない。大学の駐輪場に自転車を停めて、ウォーターサーバーで水を組んだあと、地下鉄で京都シネマへ向かった。監督が自身の家族の様子を記録した『どうすればよかったか?』というドキュメンタリーを観た。とくに、障害をもつきょうだいとどのように関わっていくか、より具体的には、その家族を看取ることに注目して鑑賞した。じっさい僕のきょうだいも障害を抱えていて、僕が上京してからこの先彼とどのように関わることができるか、あるいは両親に不幸があったときにどのような手続きが必要になるのかについて準備しておかないといけないなと考えていたところだったから余計に。
烏丸四条のあたり、つまり街はいつもより浮かれていて楽しげだった。おれはクリスマスのことが、日本に根づいている、商業主義とやや絡み合ったクリスマスのことが結構好きなんだと思う。うきうきしたので映画館近くの花屋で花束を注文することにした。アレンジメントをお願いしますと伝えると、店員さんに「プレゼント用ですか?」と尋ねられた。自分用ですって言うのが恥ずかしくて、ちょっと間違えて、贈らない用ですと答えた。ジョジョランズを読みながら20分ほど待つと、かっこいいブーケができあがっていた。受け取ったその足でクリスピークリームドーナツも買いに行った。
花束を抱えながら街を歩いていると、通りすがりの人にジロジロ見られて楽しかった。気のせいかも! でもおれもすれ違った人が花を抱えていたらチラ見すると思います。これまで恋人や母親に花を贈ったことはあったが、自分のために買ったことは初めてで愉快な経験になった。また買いたい。
院生室で数時間ほど修論の作業をして、スーパーに寄って帰宅。今朝インスタグラムのストーリーで目にした手づくりの餃子が忘れられなくて、自分も餃子を作ることにしていたのだった。彼女にそのことを伝えると、彼女も餃子を包みたいとのこと。タイプの同僚との食事会は延期になったみたいでちょっとかわいそうだった。ふたりで通話しながら、餃子を包んだ。おれが餃子を焼き始めることには彼女はすでに餃子を食べ始めていて、おれが餃子を食べ始めるころには彼女はセックス・エデュケーションを観ていた。