あなたの本来の味

Podcast を聴いているときに「あなた」と語りかけられるとどきっとする。朝からいくつかの Podcast を耳にしながら、配信者がリスナーをどのように呼んでいるのか注目していた。「みなさん」と呼びかけているとスピーカーが話すことそれ自体に焦点を当てているように感じられるのに対して、「あなた」と語りかけていると彼らの発した言葉が聴いている人の耳に届くことを強く意識しているような気がする。「みなさん」と呼びかけるのはラジオ放送とかに任せればいいと思う。

初めて企業のオンライン説明会に参加した。昨日どんな企業かもよく分かっていないままエントリーしたため、企業の採用ページやニュース記事を眺めていたら、数年前にネット炎上していたことが明らかになったので、質疑応答の時間にそのことについて尋ねることができていい機会だった。

2022年10月号の群像の特集のテーマが「弱さ」の哲学とのことで気になっている。文芸誌を買うハードルの高さがある。高校の50mプールの前にあった下駄箱の表面がさびていたことを思い出した。お笑い芸人はアイドル的な消費をされていることをやむなしと捉えていると思う。

明日から彼女が高校のクラスメイトたちとコテージへ遊びに行ってくるらしい。夏だ。僕のかつてのクラスメイトでもあるが、卒業以来会っていないので、あんまり覚えられていないような気がする。メディア社会論で、記憶はわれわれの身体のどこかにあるのではなく、外部とのコミュニケーションによって絶えず再構築されるものと勉強した。

高橋徹也「ドライブ」を聴いて体を揺らしながら味噌汁を作っていた。にんじんとじゃがいもを薄めに拍子木切りして火を通す。途中で出汁パックを入れてぐつぐつ煮込む。食べられるかたさになったか確認するために、にんじんを齧ったときに「にんじん本来の味がするな」と感じたけれど、すぐ「本来の味」ってなんだよと立ち止まった。素材本来の味ってなんですか。「あなた」にも「本来の味」がありますよ。さばを焼いて、ご飯を炊いて、それらを夕飯にした。

Netflix で配信されていた AND1 のドキュメンタリー作品「Untold: The Rise and Fall of AND1」で知ったプレイヤー・The Professor のインスタグラムのアカウントに投稿されていたリールをだらだら見ていた。ストリートボールでは特に、巧みなハンドリング技術でディフェンスを転ばせる技術(アンクルブレイク)がもてはやされていて、たしかにプレイヤーの足をもつれさせるのは視覚的にもわかりやすくて盛り上がるのは分からなくもないけど、アンクルブレイクが起きて歓声が上がるのはどうなんすか、みたいな気持ちになる。シュートやブロックショットを決めるのよりも「やってやった感」がある。「やったった感」かも。

先日配信のはじまった Johnnivan「No One is Going to Save You」を何度も聴いている。進学とともに下宿先に閉じこもる生活が続いていたとき、彼らのアルバムを繰り返し聴いて、気を紛らわせていた。夏のはじめにケース買いした缶ポカリが9本残っているので、肌寒くなってからも飲む必要がありそう。