よりどころを見きわめる

2024 年のテーマを「ステージを見きわめる」にする。ここでいう「ステージ」とは状況や環境、あるいは構造のことを指しています。キャッチーに言いかえようとしました。あと、おれはいつだってステージの上で輝いていたいので。そういうことにする。

この「ステージを見きわめる」というテーマは、自分の立っているステージを自覚する・自分の立つべきステージを意図する・他者の立っているステージを推しはかるという三つのサブテーマから構成されている。つまり、おれはどこにいるのか・おれはどこにいたいのか・あなたはどこにいるのか、ということです。

2023 年は、他者とのやりとりによって自分あるいは他者が変化していくことに目を向けて、その楽しさやおもしろさに注目していた。自分の意図的な振る舞いが他者に影響を及ぼすこと(もちろんその逆もある)、自分の主体性をあらためて捉え直そうとしていた。そのうえで、その変化していく過程をおもしろがっていた。こうしてみようと思ってやってみたことが実現するとおもしろい理由のひとつのは、自分の主体性を実感できるからだと思う。

ところが、自分が想定しているよりもそのちからって大きい。自分や他者の変化に対して享楽的な態度ばかりとっていると、自分あるいは他者の過剰な(だれかを不当に傷つけるような)支配力や統制力に気がつくことができなくなる可能性だってじゅうぶんにありえる。普段の自分による行為や意思表明、習慣となっている振る舞いなどを含む実践には、少なからず責任がともなっていることに自覚していきたい。自分がどこに立っているのかについて常に考えていきたい。

このように自分の主体性に対して内省的かつ批判的であろうとしたい一方で、それは自分の置かれたステージに依存しているケースもしばしばありえる。「そうしてしまっている」「そうさせられている」ということ。大学ないし大学院という教育機関にいるだけでもそれは実感できるし、これから就職活動をすることを考えると、自分がどこにいたいのかについても念頭に置いておきたい。自分がどうなりたいのか、あるいは、自分がどうなりさせられたいのか(?)ということです。そうした環境ってある程度は選択できると思うので、強く意図して組み込まれていきたい。

あるいは、他者がどのような状況にいるのか、どのような環境におかれてきたのかについて推しはかりつづけることも、同時に気をつけていたい。そもそも、自分のいるステージやいるべきステージについて考えるには、他者がどのような状況に置かれているのかについて検討しなければならない。おれはあまり自分のことを信頼していなくて、社会的な関係の中に置かれてはじめて自分が誰なのか分かってくる。それだけじゃなくて、他者とまっとうなコミュニケーションをとるためにはそうした訓練は欠かせないと思う。これは要するにあなたとなかよくなりたいということです。自分の推しはかるちからを過信するのは危険だけれど、だからといってそれを諦めてしまうのはコミュニケーションの放棄だと思う。

シニカルな態度をやめてまっとうに人生をやっていきたいという気持ちしかない。すべての行為が自分のためになってしまったとしたらしんどくなると思う。社会を構成するひとりであること、その社会に貢献しようとする気持ちを忘れないでいたい。友だちは普段から「世の中をちょっとでもマシにしたい」と言っているがまじでその通り。それでいうとおれたちは生まれたときから社会人なんだし。諦めたり堕落したりする態度をとるのがオトナであるという発想にまじで反対するし、おれはまっとうにコミュニケーションをとって、まっとうに生きていきたい。

追記(2024年1月26日)

本エントリを書いてからずっと「ステージ」という言葉にしっくりきていなかったので、「よりどころ」という言葉に言い換えることにしました。置かれた状況・環境あるいは立場という意味で「ステージ」という言葉を用いたのだけれど、自分が意図していたよりもこの言葉は一時的な状況を説明するような言葉で(たとえば、ステージは登ったり降りたりするのをくり返すもの)、排他的な側面があるような気がして(たとえば、「あの人とはステージが違う」とか)、ずいぶん速記法的な説明になってしまったと反省しています。

いくつか考えた結果、いまいちばん腹に落ちたのは「よりどころ」という言葉だったので、タイトルのみ差し替えた。昨年のテーマは代替不可能な「魂」だったけれど、「よりどころ」はそれに比べるとスイッチしやすそうな印象で、「ステージ」と比べるとやさしそうな言い回しだと思う。どこに頼っているのか、どこに依拠しているのか、準拠しているのはどこだろうか。

したがって、2024年のテーマは「よりどころを見きわめる」にする。具体的には、自分のよりどころに自覚的になること、目標となるよりどころを意図すること、他者のよりどころを推しはかるというサブテーマから構成されています。