泳いで前向き

大学生になってから元気がなくなったり落ち込んだりする状態が定期的に訪れるようになった。気分が晴れず部屋の隅であーだとかうーだとか喋ってもうどうしようもない感じになる。以前までは落ち込む要因を気持ちよく外出ができないことや気軽に話せる友だちがいないことなどに見出していたのだけれど、最近ようやく運動不足であるのが問題なのではないかと気づいた。だから元気がなくなったときには近所の市民プールで泳ぐようにしている。泳いで疲れると前向きな性格になる。

たしかに高校を卒業するまでは絶えずスポーツをしていて、それが学生になったとたんにその絶え間なかった運動習慣がなくなってしまった。特段運動神経に優れているわけでもないので、当時はスポーツ嫌いぶっていたが、実際は身体を動かして心地よく疲労が溜まっていく感覚を愛していて、それでようやくさわやかな笑顔と前向きな性格を取り戻すことができる。泳いで、俺はさわやかになる。

市民プールは未就学児と高齢者で賑わっていてZ世代には肩身が狭かった。両端のみなさんから負けないように屈強で美しいストリームラインで周囲を圧倒し続けました。スイミングスクールに通っていた頃から平泳ぎの息継ぎのタイミングで首を左に傾げてしまうクセがあったので、真っすぐ正面を向いて呼吸するようにした。速いとかどうでもいいので、かっこよく息継ぎをしたい。あと合間にポカリスエットを飲んでいたのでさらにさわやかになった。ポカリスエットはコマーシャルのせいで過度なさわやかさのイメージを手に入れてしまっている。

16時半ごろにプールから上がって自転車で帰った。丘の上にある市民プールから泳ぎ疲れてほてった身体で自転車で下ると、風を思いっきり食べることができて気分がいい。漕ぎながらbetcover!!を口ずさんでいて、まさしく元気になっていた。

帰宅して水着を洗ったり片づけたりしつつ夕飯の準備をした。今晩は昨日炊いて冷凍したご飯と大根と油揚げのみそ汁、あと野菜の焼き浸しを食べた。id:nekochanchang さんのブログで夏野菜の焼き浸しのことが取り上げられていたのが気になっていて*1、傷みかけていたナスやピーマン、見切り品だったカボチャや新鮮なししとうなどで焼き浸しを朝のうちに作っていたのだった。あとこれまでみそ汁の出汁はほんだしを使っていたけれど、今日はだしパックを使ってみた。ほんだしより甘いような気がしました。とにかく野菜をたくさん食べたので楽しかった。
nekochanchang.hatenablog.com


あとこれは昨日の朝の話なんだけど、真造圭伍の『ひらやすみ』という漫画をkindleで全3巻を買って読んだ。これは id:GAMEBOYZ さんが新しいエントリーで紹介されていて楽しそうだと思ったから。第3巻の第24話(24日目)で渋谷のハロウィンイベントに出かけたがいまいち楽しめなかったというなつみちゃんにヒロトが「やんなかったよりやった方がよかったと思うよ~」というメッセージを送るところでなにもやんなかった2年間の大学生活のことがすべてフラッシュバックして気持ちが良かった。このシーンめっちゃよかった。これまであまり漫画を読んでいなくて、あちこちにあるはずのおもしろい漫画を見向きもしないで過ごすのはもったいないだろうと思って、漫画を読むようにしている。アルバイト先の先輩に『ハイキュー!!』を薦められたので読んだらめっちゃ良かった。高校生のスポーツ漫画は学年が上がっていくものだとばかり思った。
gameboyz.hatenablog.com


昼に先日恋人が遊びに来たときに一緒に行った「やぐ羅」というスパイスカレー屋さんで揚げ野菜のカレーを食べたことや、つい先日「イオンモール北大路」にリニューアルされることが発表された北大路ビブレでドーナツを買ったことも、僕を前向きかつさわやかにさせてくれた。フレンチクルーラー食ってさわやかになってから、彼女と電話して寝ます。

*1:焼き浸し以外にも野菜にまつわることが頻繁に紹介されていて野菜食べたい欲が掻き立てられます。

行ったことのない街を散策して日が暮れる前に帰る

性格が底抜けに明るくなってきたので、亀岡市へ行くことにした。なぜ明るくなったかというと、昨日市民プール(やまごえ温水プール)で1時間程度泳いできたからです。根が体育会系なのでスポーツによる肉体的な疲労が次の日の活力となる。落ち込んだときは運動をするようにしていきたい。

かねがね京都市に隣接する自治体へ行ってみたいという気持ちがあって、京都駅から電車で20分程度の距離にある亀岡市へ行くことにした。朝起きてすぐ布団カバーとシーツを洗っていて、それらを回収・裏返す必要があったので日が暮れる前に帰宅することを念頭に置いて出発した。あとそばとパフェを食べたいと思って出かけたのですが叶いませんでした。

亀山城跡

亀岡駅から南へ向かうと亀山城跡が見られるようだったので、とりあえずそこまでずんずん歩いた。拝観料を支払ってパンフレットをもらうと亀山城跡は「神域」として定められ進入禁止エリアとなっていて、なんで城の跡なのに神域なんだおかしいだろ、と思ったところで亀山城跡は宗教法人の管轄下にあることを知った。信徒によって築かれた神殿の跡地を説明する看板に「二十四日間をかけてダイナマイト千五百発で爆破され」という記述があり意外だった(施設を紹介する看板に「ダイナマイト」という単語があるとは思わなかったからです)。植物園が併設してあって、園内のでかいイチョウの木を眺めた。


カキツバタが咲いていて良かった。ちなみに亀岡市の市の花は「つつじ」、市の木は「さくら」とのことです*1

さか井食堂

亀山城跡を後にして周辺を散策していると、地域の住民のみなさんに親しまれていそうな食堂を発見。迷わず突入(実際には列ができるほど混んでいたので数十分ほど並んでからスマートに入店しました)。


しいたけの旨煮がたっぷり入ったの「ふれあい城下町のぶっかけうどん」を食べた。しいたけの旨煮が甘かった。しいたけを食べると、彼女がしいたけのアブラで頭が痛くなるとよく言うことを思い出す。

イオン亀岡店

カラオケとパチンコを楽しめる複合施設の隣に亀山城の天守閣を彷彿とさせるイオンがどっしりと構えていた。「総合食料品と暮らしのフロア」をはじめ3つの多彩なフロアで構成されるこの店舗は、マクドナルドはもちろんあらゆる食事を味わえるレストランや卓球やプリクラを満喫できるゲームセンター・ファインワールドなどが営業している。かなり最高なデートスポットでもあると思う。隣にカラオケもあるし。どこから攻めても落とせませんね。

最近分かってきたのですが僕はこういう地域に根差したショッピングモール・複合施設のことがとても好きです。北大路ビブレとかもそう。北大路ビブレはかっこよすぎて迂闊に手を出せない感じがある一方で、イオン亀岡店には見栄を張らず堅実にやっていこうという意思があって素敵。


「暮らし」を掲げるフロアが全体の3分の2を占めている。


こんな感じのバスケットボールのシューティングゲームが設置しているゲームセンターはとても素晴らしい。2回プレイしました。


あらゆる食事を楽しむことのできるレストラン。今度行ってみたい。

KURKI COFFEE

亀岡駅から徒歩5分ほどにあるスッキリとした雰囲気のカフェ・KURKI COFFEE でクリームソーダを飲んだ。店内ではザ・ビーチ・ボーイズの楽曲が流れていました。かき混ぜないで飲んだせいで、底に溜まった重くて甘いシロップが序盤で失われてしまった。Inside outside U.S.A. 以降想定より薄い味のクリームソーダと向き合いました。Inside outside U.S.A. 5月上旬とはいえ暑い日でよく歩きよくのどが渇いていたので、冷たくて甘いドリンクが嬉しかった。Inside outside U.S.A. バニラアイスとサクランボが盛られたソーダはフォトジェニックでレトロなアイコンとして定着していますがこれっていつ創られたイメージなんだ。

昼食を済ませて、いろいろ散策することができたので帰ることに。このとき15時になりかけくらいで亀岡駅を発った。

保津峡駅周辺

行きの電車からでかい渓谷を望んだとき、もしかしたら絶景を見られるかもしれないと思ったのを忘れていなかったので帰りに寄った。駅周辺にどでかい渓谷を一望できる展望台みたいなのが設置されていると踏んでいたが、それっぽいスペースはなくて水流すらまともにみえなかった。生半可な気持ちで絶景を観ることはできない。

道に沿って進むと木々の隙間からわずかにそれっぽいものを見ることができた。写真から見えるのが保津峡駅。それなりに満足したので帰ることに。


亀岡市は保津川下りというイベントを催しているそうでその一端を確認することもできた。楽しそう。

おわりに

新しく街を訪れるということは(当然だけれど)知っている街がひとつ増えるということ。街の知り方や捉え方は多様で人によってその街への受け止め方が異なるのは面白い。僕にとって亀岡市は亀山城跡という施設があってうどんが美味しくてかっこいいイオンがあってクリームソーダを楽しめる街。あなたはどうですか。これからも様々な京都市に隣接した街やしていない街を訪れて自分なりの街のイメージ構築に励んでいきたい。

以前「タスク消化型の遊びしかできない」みたいなことをブログで書いたけれど、タスクをこなすことをイメージせずとも遊ぶことができるようになった。出かける前に行きたい場所にぼんやりと目星をつけていて実際そこを訪れたから、タスク消化を意識せずともそれを達成することができるようになったとも言えるかもしれない。とはいえ予定していなかったイレギュラーな逸脱も無理せずできるようになった。守破離でいうところの「破」の部分にいます。ちがうかも。あときちんとお金を使って遊べるようになった。以前までは渋っていた駐輪場の料金などを悠然たるさまで支払えるようになった。これがオトナの遊びですね……。

16時前には帰宅が完了して、干していたシーツを取り込み、布団を裏返して干すことに成功。これもオトナの所作と言ってもいいでしょう。

iPad miniは楽しいことをさらに楽しくさせる

  • 4月末に念願のiPad mini 6を購入して生活の楽しかった部分が勢いを増して楽しくなっている。長期休暇にアルバイトに励んで経済的な余裕ができていたという状況下で、アルバイト先の先輩が同機種を買ったという発言に背中を押され、思いたった翌日には京都のアップルストアiPadを手にしていた(アップルストアはかつてないほどしんどい接客だったのでこれからは配送で注文しようと思う)。iPadを買うことで後悔することはなくて、あるとしたら保護フィルムを貼るときに目立つ気泡が入ってしまったときくらいだと思う。僕は細心の注意を払って作業に取り組んだため、ノー気泡でフィニッシュ。優勝しました。iPad miniは生活に圧倒的に向上させてくれることはないけれど、YouTubeNetflixなどの映像視聴やSpotifyでの音楽視聴、Kindleでの読書など、これまで楽しくやってきたことをさらに楽しくしてくれる点が優れている。
  • Pavementの「Harness Your Hopes」を口ずさめるように練習していたけれど唇がもつれてしまうばかりで諦めることにした。
  • BRUTUSの合本『花と花束。』に掲載されていたMAESTROという花屋でエディブルフラワーで飾られたソフトクリームを食べに行った。ショップでは母の日のためのアレンジメントを販売していたので、ちょうど翌日帰省する予定もあたこともあって、母へのギフトを買った。贈ったら喜んでくれたし、写真を撮っていた(多分インスタグラムにアップする)ので良かったと思う。
  • 実家へ帰ったら父が開口一番に「アーニャかわいい」と言っていて、珍しかった。「大丈夫ます」と真似をしていて高2の妹と共鳴していた。
  • ゼミのグループワークで夜に電話をする機会があり、作業が終わってからも数人で深夜まで雑談をした。ある中学校の2年生のクラスを追ったドキュメンタリー『14歳の栞』を紹介したところ好評で、その良さを熱弁したらみんな観たいと言ってくれて嬉しかった。出町座ではもう上映していない。
  • 彼女の大学は連休中も講義があるらしく僕が帰省するタイミングでデートができそうになかったので、彼女の登下校にのこのこ付いて行って、彼女が講義を受けている間構内で時間をつぶしたりしていた。興味のある講義があったのでもぐってみようと企んでいたところ、入る教室を間違えてしまい、せっかくのもぐりチャンスを逃してしまった。惜しい。かなり惜しいことをした。彼女の友達にも挨拶ができて楽しい時間を過ごせた。
  • 高校生の頃のバスケットの試合のビデオを観ていたら案外面白くて日をまたいでしまった。インスタグラムのストーリーズの親しい友達機能を用いて、当時のチームメイトにナイスプレーなシーンを共有したところ、「俺も観たい」とのリアクションがあったので、YouTubeにアップロードしてみようと考えている。みんなも気軽に観れるので喜んでくれるはずだと思って、実家からディスクを持ち帰ってきた。さっき外付けブルーレイドライブを注文したので、適当に時間を見つけて作業をしたいと思っている。また彼らをバスケットができたらとても幸せだと思う。
  • 田豊史『映画を早送りで観る人たち』の第4章で、作品の評論家はさまざまな分野・教養に通じたジェネラリストであり、彼らの評論は「"知の運動神経"披露会」と表現していた。ここではZ世代はジェネラリストでなく特定の分野に秀でたスペシャリストに魅力を見出す(コスパがいいから)みたいな文脈で取り上げられていたが、たまに評論がマッチョにみえるときがあるなと思った。とはいえ、それはマッチョな人が述べているからだ。
  • 僕は高校3年生の秋までバスケットボールというスポーツに打ち込むことができて、そこである程度暴力的な行動をしたいという欲求を解消できていたのでよかった。ディフェンスのプレイヤーを力づくで押しのけてポストアップしてボールを寄こしてもらったり、身体をぶつけてシュートを止めたりするのってまさにそうだった。
  • Twitterでファッションを中心に取り扱うアカウントをフォローしたりリストに追加したりして参考にしているのだけれど、彼らはファッションが好き”なのに”インターネット(Twitter)をしていて社会性がないみたいなスタンスをとっている一方で、高頻度で対面で交流していてかっこいい。インターネットで趣味の合う知り合いを見つけて実際に会って遊ぶという一連の流れをスマートにこなしている。これはファッション界隈に限らずあらゆる界隈で起きていて、それは望ましく、正しいような気もするけれど、息苦しくも感じる。僕がインターネットを特別視しすぎているのかもしれない。Z世代だからモノよりコト。消費より体験。インターネットは道具のひとつ。はい。
  • 目の前の人と話しているとき、”社会のみなさん”を加味した言葉がこぼれ落ちそうになることがあって、たしかにそれは正しいかもしれないけれど、別に社会のみなさんのために話しているのではないし(もちろんそうすべきケースも往々にしてあるが)、僕と目の前の人のために話しているというごく当たり前のことをしばしば忘れがちになることを忘れてはならない。