「ピザを食べたい」と頻繁に考えるようになったのは、ポストに突っ込まれている宅配ピザチェーンからのチラシが定期的に「ピザ」の存在を思い出させるからだ。実家の周辺にはピザチェーンがなかったのでチラシを目にすることが少なかった。ここ数年は、ふた月に一度チラシが届き、ひと月に何度もピザのことを考えている。
いくらピザを食べたくなっても、宅配ピザの価格設定は強気(あるいは適正な値段)であり、学生がおいそれと注文できる代物ではない。
とはいえ「ピザを食べたい」という気持ちを軽んじてははならない。ならばピザをつくればいい。手の届く範囲でピザをつくり、簡易的なピザパーティーを催すことで、わははと笑って楽しげに週末を過ごしたい。
生地をつくる
ボウルに規定の分量の薄力粉、強力粉、ドライイースト、砂糖をいれスプーンでさくさくと混ぜる。その後オリーブオイルとぬるま湯を入れてかたまりになるまで混ぜる。
ある程度固まったら塩を入れる。
よくこねると生地っぽくなる。
ぬるま湯で温かい環境にしつつ、2時間ほどの発酵を試みる。
この時間で、近所のスーパーへ足を運びチーズやバジルを調達する。コカ・コーラはペットボトルよりも缶のほうがいいに決まっているので、缶のコカ・コーラの売っている自動販売機へ向かう。近所のどの自販機に缶のコカ・コーラが売っているかを把握していることは、これまでも役に立ったしこれからも役に立つと思う。ついでにリサイクルショップへ立ち寄って、明治牛乳のキャラクターがあしらわれたコップとピザをのせるための木製のおぼんを買った。
さらにこの時間でピザソースや付け合わせのコールスローをこしらえた。
正しい手順を踏めば、見事に膨らむだろう。
分割してある程度寝かせば、生地ができあがる。
これをピザにするとかなり良いと思う。
ソースをつくる
みじん切りにしたニンニクとタマネギをオリーブオイルでよく炒める。しなしなになったらトマト缶の中身を注ぎ込み、塩、バジル、オレガノ、ローリエを加えて水分を飛ばす。塩以外については気分を盛り上げるために入れているが、実際のところ味に変化が生まれていると思う。
それなりに水気がなくなれば火を止め、粗熱をとる。レシピにはしばしばいじわるな表現がみられるが「粗熱をとる」もそのひとつで、手で触れられるくらいの温度まで冷ます、というのが適切な表現。ただそう表記しなくてもニュアンスが伝わっていてすごいと思ったので、将来的にはそういう研究をしていきたいと思います。
ピザを焼く
先ほど分けた生地のひとつを取り出し、少量の薄力粉をまぶしてから、まるでピザの生地のように平たく伸ばす。本来であれば麺棒で伸ばすのが効率的なのだろうが、あるはずがないので、ラップの芯を使う。汚れた部分を切り離して捨てることができるので衛生的です。
麺棒がないのと同様にオーブンレンジもないので、フライパンで底を焼いて魚焼きグリルで上部を焼く、という流れでピザを焼く。まだナンみたい。
底がこんがり焼けたら、ピザをピザたらしめるために具材をのせる。マルゲリータを食べたかったので、ピザソースを塗ったうえにモッツァレラチーズをちぎって遠慮なく置いてゆく。このタイミングでバジルをのせてしまうと焦げてしわくちゃになってしまうので、あと1分で焼きあがる状態を見計らってちぎったバジルをのせる。
ピザが焼きあがった、と言ってもいいでしょう。