ビリヤニとこたつ

昼すぎに退勤して、とり天うどんを食べに行ってから、締め切りの近い課題を片付けるつもりだったのに、お腹いっぱいで眠たくなったので昼寝した。たしか提出期限は明後日までなのでスムーズに寝るほうに舵を切れた。起きたら家を出る予定の時間だった。

息が上がるくらい自転車を漕ぐと恵文社につく。恵文社を訪れるたびに、この書店が歩いて数分の近所にあったらどんなに素晴らしいかと思う。めあての『SPECTATOR 第51巻』と、ジャケットに惹かれた宮地尚子『傷を愛せるか』を手に取って退店した。友だちの家に向かった。

友だちと合流してビリヤニを食べに行った。ふわふわとした食感で食べ心地がしない。バスマティライスというらしい。香辛料のかおりがよかった。官僚制の話とか、『桐島部活やめるってよ』の東出昌大の演技の話とか、これまで体感していたホモソーシャルの話とかした。ビリヤニは腹に溜まらない。鴨川沿いにはいくつか、ごうごうと水の音が大きな箇所があって、そこを通るときには自然と声が大きくなる。鴨川デルタでも音の大きさでナワバリを争っていることがある。

帰るのが惜しかったので、ずかずかと友だちの家に上がった。まだこたつが出したままで、たしかにそれなりに肌寒かった。こたつで暖を取りながら、貫之や野球や広告を見ながら時間を過ごした。こたつをしまうタイミングは暦に委ねなくてもいい。水野しず『親切人間論』を借りて帰った。図々しく居座るのが悪いという気持ちが、帰りたくないという気持ちに勝るタイミングはだいたい23時ごろ。

ずっと大きなあくびをしながら自転車を漕いでいたので、何度も涙で前が見えにくくなった。ジャケットを羽織っても寒かった。

チキンビリヤニを食べた